77歳のいまも、医師として多くの患者と接している、鎌田實さん。「ちょうどいいわがまま」の延長線上には、「ちょうどいい死に方」が待っているのだそうで……(構成:篠藤ゆり 撮影:難波雄史)
自由に生きるには筋力の維持が大事
さて、ここで77歳の僕の生活を少しご紹介すると、主な仕事は執筆と講演です。現在連載を10本抱え、講演で日本中駆け回っているのでかなり忙しいのですが、それでも年に70日はスキーをしています。
シーズン中は、朝起きて天気がよければ車で20分くらいのところにあるスキー場に出かけ、ゴンドラで頂上まで行って、3キロのダウンヒルをノンストップで3回滑り降ります。帰宅したら、仕事の時間です。
スキーで怪我をしないためには、筋力を維持しなくてはいけません。なかでも大事なのが、足腰の筋力です。そこで病院を退職後、筋力トレーニングを始め、バーベルを担いでスクワットをするようになりました。
75歳の時は、75キロ担げました。よし、年齢と同じ重さを目標にしようと決めて1年に1キロずつ上げていき、この6月に77になったので77キロに挑戦。無事に成功しました。何歳になっても、その気になれば筋肉は増えます。ちなみに1歳下の妻は、目下35キロのバーベルを担いでスクワットできますよ。
『婦人公論』読者のみなさんは90を超えて生きる可能性が非常に高いと思います。最後の最後まで、美術館に行ったり、レストランでおいしいものを食べたりなど自分の好きなことをしたいのなら、足腰の筋力を保つことが大事です。
足腰が衰えて出歩けなくなると、できることが減ってしまう。ですからバーベルを担がないまでも、毎日スクワットをすることをお勧めします。