がんは一種の老化現象?
実際私が勤めていた浴風会病院では、たとえ別の死因で亡くなっても85歳以上の人には全員どこかにがんがあったという解剖結果が報告されていました。死因ががんだった人は3分の1なので検査さえ受けなければ、体の中にがんがあることに気付かぬまま寿命をまっとうできる可能性は思いの外高いのです。
がんが発生する原因は細胞が複製される際のミスコピーが大きくなって生じるという説が有力ですが、高齢になるほどミスコピーの頻度は高くなり、それを退治する免疫細胞の活性も若い頃の半分くらいに下がります。だから、がんは一種の老化現象なのだとも言われていますが、私もその意見に賛成です。
がん以外の原因で死ぬことがなければ、いずれはがんになるものくらいに開き直っているので過剰に心配はしていません。
※本稿は、『65歳、いまが楽園』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
『65歳、いまが楽園』(著:和田秀樹/扶桑社)
65歳を迎えた、大ベストセラー『80歳の壁』の著者で、高齢者医療の専門家が断言!
「65歳からは、この世は『楽園』だと思ってこそ、本当に自分らしい人生を送ることができる!!」
自身の“幸せすぎる毎日”を中心に、シニア世代が気楽で楽しい日々を生きるコツを伝授!