(写真提供:Photo AC)
「体力の衰えを感じはじめた」「老後のお金が心配」60代以降は健康やお金などあらゆる面で不安が募りがちです。ところが、2025年で65歳を迎えた精神科医・和田秀樹先生は「特に65歳からは、この世は『楽園』だと思って、あらゆる意味で『自由に』生きてこそ、本当に自分らしい人生を送ることができる」と、語ります。そこで今回は、和田先生の著書『65歳、いまが楽園』から、一部を抜粋してお届けします。

想定されるリスクにはケアを講じる

私は、楽しみや生活の質を犠牲にしてまで血圧や血糖値を下げようとは思いませんし、普段は数値のことなどほとんど気にしていません。

ただ、血圧や血糖値が高めであるせいで起こりうることの中で、「こうなったら嫌だなあ」と思うことに対するケアは講じています。

血圧が高いと動脈硬化が進みやすいのは確かで、確実にそうなるとは限らないものの、最悪の場合は心筋梗塞が原因で突然死する可能性は否定できません。

なので、そのような最悪の結果が起こる前に対処できるよう、5年に1回のペースで心臓ドックを受け、心臓の周りを取り巻く冠動脈という血管が狭くなっていないかどうかをチェックしているのです。

そうなっていないことが確認できれば、よほどのことがない限り、当面心筋梗塞の心配はありませんし、万が一そこで血管が狭くなっていることが発見された場合は、血管を広げる治療を受ければ完全に詰まってしまうのを未然に防ぐことができます。

脳の場合も血管がこぶのように膨らむ動脈瘤の段階で発見できれば、カテーテル治療によってクモ膜下出血を予防できるので、脳ドックもある程度役に立つと思っています。