(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
目まぐるしく変化する現代、心穏やかに日常を送ることが難しくなっているという方もいるのではないでしょうか。そんなとき、学校や施設へ宇宙講座を届ける活動をしている「あいプラネット」代表の野田祥代さんは、一呼吸して「心だけ宇宙に緊急避難」することをすすめています。今回は、野田さんの著書『夜、寝る前に読みたい宇宙の話』から一部を抜粋してお届けします。

太陽のこと ― 日の昇る惑星(ホシ) ―

私たち人間は、朝日や夕日にときどき特別な想いをもつことがあるものです。

美しい朝焼けを目にして、今日も良い一日でありますようにと願う朝が、きっと誰しもあることでしょう。

大きく沈んでいく夕日に、切ない気持ちになることもあるかもしれません。

太陽は、46億年ものあいだひたすら輝き、地球の半分を照らし続けています。

地球の表面にいる者にとっては、太陽が昇り地上を照らしているあいだが昼、沈めば夜の世界がやってきます。

一日で空がぐるりとまわっていくように見える天の動きを「日周運動」といいます。

バスや電車に乗っていると、外の風景は進行方向と反対側に流れていきますが、これと同じように、地球はコマのように一日でひとまわり(自転)していて、そこに乗っている私たちには空全体が東から西へ動いていくように見えるのです。

地球に乗るあなたも、光の当たるところ(昼)と反対側の暗闇(夜)とを、毎日メリーゴーランドのように通り抜けています。

いっぽう、地球上には太陽が昇らない地域もあります。

北極や南極、それに近い地域には、冬になると一日中太陽が昇らない時期があるのです。

この現象を「極夜」といいます。太陽が一日中沈まない「白夜」を知っている人のほうが多いかもしれませんね。

でも、極夜はどこでもずっと真っ暗というわけではありません。

南極にある日本の昭和基地では、お昼前後に薄明るくなる時間帯があって、屋外の作業はこの貴重な時間帯をねらってするのだそうです。

ところで、昼間の青空では太陽が圧倒的な存在感ですが、満月の頃には、西に沈む太陽の反対側(東の空)に大きくてまん丸な月が昇ってきます。

ああ月があるなあ、と、ふと気がつくのは、月が満ちて存在感を増してきたときなのでしょう。