戦争中に育った人間なので、食べ物は決して無駄にしません。大根の皮は捨てずに、洗って乾燥させて切り干し大根に。
出汁を取るときに使ったかつお節は、水気をしぼってラップに包んで冷凍し、1年分溜まったところでフードプロセッサーにかけて煮て、山椒の実やゴマなどを混ぜてふりかけにしています。質素倹約の暮らしを心がけていれば、いくつになっても創意工夫の心が育つのです。
今は膝が悪くてできませんが、自分の手足を使っての雑巾がけや、庭掃除や草むしりもいい運動になります。両手を使うと認知症防止にも。うちの母も晩年は寝たきりでしたが、それ以前は、博物館で販売する巾着をせっせと縫って、それが生きがいになっていました。
高齢になると料理や掃除が億劫に感じる方もいるでしょう。でも、自分が生きていくうえで必要な家事は、できる限り自分でやったほうがいい。目の前の便利さや快適さにただ流されるのではなく、自分の頭と体を使うことが老化防止につながるのだと思います。