集中型から分散型にすれば人生は安定する

幸いにしてメンバーはそれぞれに多才で、RAG FAIR以外の分野を確立して生計を立てています。僕はラジオパーソナリティーとして歩み始めていたのですが、みんなのタイミングが合う時にRAG FAIRとして活動しようと決めたら、音楽活動、自分の仕事、家族との時間、経済面などあらゆるバランスが整って非常に快適になりました。

何かに集中して生きるのも素晴らしいことですが、それって株式投資と同じでハイリスクハイリターンなわけで、僕の場合は分散型にしたことで安定感を得ることができたのです。

笑顔でインタビューを受けるRAG FAIR土屋礼央さん
撮影:本社 奥西義和

正直な話、かつてはメンバー間で「なんで俺ばっかり負担が大きいんだよ」とかいった摩擦が起こることもありました。でも今は仕事量は度外視して、経理だったり、スケジュール管理だったり、セットリスト作りだったりを得意な人が分担する形式でやってます。

なんと奇跡的に全員の得意なところでカンパニーが成り立ったんです。すっかり風通しが良くなって、最早僕はメンバー達のいいところしか見えません。延いてはお客さんにいい音楽を届けることができるわけで、それこそがRAG FAIRの芯であり大事なところ。とはいえ芯はあってもスパゲティーと同じでそのままだとポキポキ折れてしまうので、仕事も人間関係も「アルデンテ」がいいなあとつくづく思います。