誰の人生も最後は引き分け

最近になって人生には勝ち組も負け組もなく、誰の人生も最後は引き分けなんだということに気づきました。だったら周囲の人達とリスペクトし合いながら暮らしたほうがいい。夫婦だってそうです。幸いにして妻はリスペクトに値する人なので、僕も妻からリスペクトしてもらえる自分でありたいという好循環が生じていますが、妻への愛は年金みたいなものだと思っていまして。愛をケチると老後にツケが回ってくる…これ、一番怖いです。(笑)

妻とは性格が全然違ってまして、彼女は一言で言えば正義感が強い人。まっすぐな考え方をするところが僕は好きです。厳しい指摘をされることもありますが、忌憚のないことを伝えてくれる人がいるというのはありがたいと感謝してます。その妻が「あなたみたいな人が増えたら世界は平和になる」と言ってくれた言葉に背中を押されて、本書では堂々と自分の考えを伝えることができました。

僕の場合、年齢より若く見えるのか、周囲の人達から「良いことを言っても顔に説得力がない」なんて言われることも多いのですが、いよいよ来年は50代に突入します。ハッキリ言って身体能力は低下していく一方。でも年を重ねたからこそ見える世界がきっとあるはずなので、老いも受け入れて、その時点の自分にできることを楽しみながら生きていきたいと思います。

いろいろなことに手を出し、「七兎追うものは一兎をも得ず」状態になっているという自覚はありますが、夢はRAG FAIR 、インディーズバンドのZboned Zubon、ソロプロジェクトのTTREという僕が関わる3つのバンドのワンマンライブと、落語の独演会などなどを日替わりメニューで1週間公演すること。生きているうちにできたらいいなと考えるだけで気分が高揚してきます。トップランナーになることだけがすべてじゃない。大事なのはワクワク感なのではないでしょうか。この本を読んで、悩んでいる人が少しでも前向きになってくれたら嬉しいなと思っています。

RAG FAIR土屋礼央さん
撮影:本社 奥西義和
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