郡上一揆は田沼時代の幕を開けた事件でもあった

郡上一揆の大きな特徴としては、藩主が改易された上に、この事件に関わりを有した老中、若年寄、大目付、勘定奉行ら、幕閣中枢メンバーが罷免されたということが指摘できます。

百姓一揆が原因で大名が改易された例としては、正徳2年(1712年)に安房国の北条藩の事例がありますが、幕閣の重臣が罷免される事態を招いた例は、郡上一揆以外にありません。

もう一つ、この事件に関しての幕府の制定が形成されるときに、急速に政治的な存在感を示したのが田沼意次でした。

彼は吟味に参加して辣腕をふるい、幕府首脳部に才覚を認められます。それで事件の終息後も、引き続き幕政に参加するようになったのです。

また宝暦8年(1758年)9月、事態を悪化させた責任を問われて失脚した本多忠央(西丸若年寄)の領地であった遠江相良を与えられ、彼は大名に列することになりました。

郡上一揆は田沼時代の幕を開けた事件でもあったのです。

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