丁寧なラジオ体操は、かなりすごい!

体幹、肩甲骨、股関節まわりを大きく動かす体操としておすすめなのが、皆さんもご存じ、ラジオ体操です。ラジオ体操の前後屈、横に曲げる側屈、左右にひねる回旋の3種目は特に効果的です。

もちろん、ただそのままラジオ体操を行うのではちょっと芸がありませんね。ここではそれぞれの種目を3段階の動きに分け、一つずつを丁寧に行うというやり方で解説していきたいと思います。たとえば前後屈の場合は、

(1) 首を前に曲げて下を向く
(2) 背中(体幹)を丸めておへそをのぞき込む
(3) 股関節も曲げて全身で前屈。後ろも同様に
(4) 首を後ろに曲げて上を向く
(5) 腰に手を当てて背中(体幹)を反らす
(6) 股関節も使って全身で後屈

という具合に「首→体幹→股関節」の順に一つずつ丁寧にしっかり動作します。

この際、手の動きも重要で、大きく腕を前に出して前屈することで肩甲骨が左右に開き肩が大きく前に出ます。「肩甲骨を開く」動きです。また、腰に手を当てて後屈することで肩甲骨が中央に寄って肩が後方に引かれます。「肩甲骨を寄せる」動きです。

一つずつ丁寧に行うと、ラジオ体操って「こんなに芯・コアからしっかり動けるのか」と実感できると思います。きっちり行えば結構すごいんです。誰でも知ってる体操だからといってあなどれませんよ。

前後屈、横曲げ、回旋の3種目のやり方と動きのポイントを次のページから図説しますので、これにそって「丁寧に」行ってみてください。

『新装版 学術的に「正しい」若い体のつくり方』著:谷本道哉 (中公新書ラクレ)

特に前後屈の、後屈の動きはより丁寧に。日常では背中を反らす動きはめったにしませんので、どうしても猫背の背中の丸まった姿勢で固まりがちです。1日に1回も背中を反らさない、なんてことも珍しくはありませんからね。

体幹の後屈がうまくできないと、膝を曲げる動きでごまかしがちです。いかにも年寄り臭いポーズなのですが、それは体幹の動きが悪くなっている、特に高齢の方などは、自然とこのような姿勢で後屈をすることが多いからです。

この体幹コア体操は3種目全部行ってもたった1分程度。

おすすめの時間は朝です。朝に行って、快適に動ける体をつくれば、その後一日を活発に過ごしやすくなるはず。毎朝若々しく快適に動ける体に整え、テキパキと、コロナなんかに負けない、元気ハツラツな一日をスタートさせましょう!