「意志の力」に頼らない
最後に、「知っておきたい、物事を習慣にする原理」について少しお話します。
一番楽なのは、「意志の力」に頼らず、仕組みや環境を整えることです。例えば散歩の習慣化なら、玄関に靴や上着を置いておく手もあります。また、「これなら絶対にできる」と思うことに落としこんでメニューにすることです。例えば、「毎日10キロ走る」ではなく、「まずは玄関まで出て、5分だけ歩く」のようなこと。そして、自分のモチベーションを維持するために、進捗状況を記録して「見える」形で示しましょう。達成感が次の行動への意欲につながります。
また、もしもの事態を想定しておくことも有効です。例えば「散歩に出られなかった日は、代わりにストレッチをする」「朝起きられなかったら、夜に必ず行く」など、ダメな時の代案をあらかじめ決めておくことで、習慣が途切れにくくなります。さらに、行動とご褒美を結びつけるのもおすすめです。何か1つできた時に、欲しかった雑貨を買ったり、好きなお茶を飲んだりするのもいいでしょう。
そして何より、「誰かを巻き込む」というのも、孤独感を覚えないようにする有効な手です。人と関わることが嫌でなければ、同じ目標を持つ仲間を見つけるのもいいでしょう。子どもや友人に報告して、モチベーションを維持することも可能です。相手がいなくても人を巻き込むことはできます。SNSに食事の写真や今日歩いた歩数だけを淡々と書き込むだけでも十分ですし、最近では、そういったアプリもあるので、書きこんで「見える化」するだけでも効果があります。
人との接触も同様です。無理をしてではなく心理的負担を減らせる方法と人選からはじめましょう。方法は例えばLINEのスタンプでもかまいません。なんでもいいから、誰か話しやすい人に話しかけることでまずは「孤独」から1歩遠ざかりましょう。またはコンビニやスーパーの店員にでもいいので、まず接触することに意義があります。「誰かに見られている」という気の使い方がかえって、外部的な刺激をもたらして、生活にメリハリを与えます。
孤独を感じる状況は、メンタルにとって一番よくありません。無理のない範囲で人とのつながりを保ち、楽しかった秋の思い出を取り戻しましょう。