こむら返りの正体は筋細胞からのSOSだった!

では、もし腱紡錘が、加齢や疲労、そのほかのさまざまな理由で誤作動を起こし、「縮みすぎているよ!」という信号を脊髄に送らなかったらどうなるでしょう?

正解は、「筋肉はどこまでも縮もうとする」です。

筋肉がギュッと縮むと、血管まで圧迫されて血流が悪くなります。血流が悪くなると、筋紡錘への血流も低下するため、さらに誤作動が生じやすくなります。

血流の低下により筋肉に必要な酸素が届かなくなり、プロスタグランジンと呼ばれる物質をはじめ、細胞が「助けて!」と「異常事態を知らせる物質」をどんどん出します。

もうおわかりでしょう。この物質が鋭い痛みの原因であり、これこそが、こむら返りの正体なのです!

筋肉のつり(筋けいれん)は、体を動かす筋肉ならどこでも起こる可能性があり、すべてが「腱紡錘」の誤作動に起因します。

指、腕、お腹、お尻など、場所を選ばずに発生しますが、実際には、ふくらはぎ、すね、足の裏など、足で起こることが大多数。

(本書より)