自分の時間を楽しむ工夫
同じように、「自分の時間を楽しむ工夫」をされていた保護者の方もいらっしゃいました。ある方は、趣味の手芸でさまざまな小物を作り、それをネットで販売されていました。それが売れたとき、「自分は社会とつながっている」と実感でき、とても励まされたと話してくださいました。
また別の方は、近くの図書館に通い、「歴史の棚の本を、上から順に全部読む」という目標を立て、一冊ずつ読み進めていくことを楽しんでいらっしゃいました。
「ゲーム感覚でやれて、楽しいんです」と、穏やかな笑顔で語ってくださったのが印象に残っています。
親が元気をなくしてしまうと、子どもは「自分のせいで親が悩んでいる」「自分がダメな子だから、親を苦しめてるんだ」と、さらに自分を責めてしまうことがあります。
だからこそ、どんなときでも、まずは自分が元気でいることを、どうか忘れないでいただきたいと思います。
「お父さん、お母さん、自分のせいで苦しまないで。元気でいてくれれば、自分も元気をもらえる気がする」
※本稿は、『3万人の親子に寄り添ってきたスクールカウンセラーが伝えたい 10代の子どもの心の守りかた』(実務教育出版)の一部を再編集したものです。
『3万人の親子に寄り添ってきたスクールカウンセラーが伝えたい 10代の子どもの心の守りかた』(著:普川くみ子/実務教育出版)
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10代の本音を見抜くプロが心を込めて綴った、子どものためにできること。