「犬を飼ったら?」娘の提案は大正解

コロナの閉塞感の中、私は大らかさを失ってしまい、長女に電話をして、「ババちゃまがポータブルトイレをひっくり返して、服も床もビシャビシャになっちゃって、後始末するのが大変だったの」などと愚痴りがちに。

すると見かねた娘から、「ママ、犬を飼えば?」とアドバイスされて、「そうだわ!」と即行動。何かあったときに預かってくれる獣医さんを探したうえで、2匹の保護犬を迎えたのです。おやつをあげる母も私も笑顔になり、他愛のない会話が増え、犬にはとても癒やされました。犬の散歩は私のストレス解消にもなって、大正解だったんです。

ちょうどその頃、東京の家でいつもお世話になっていた神主さんが山梨の家にいらして、母に「自分のことは生きているうちに解決して、上にあがっていくことが大切」と話してくださったのです。

私には「親子であっても魂は別、それぞれの学びがある」と諭してくださり、「そうか、私は犠牲者ではなく、母の介護を通して魂の修行をさせてもらっているのか」と、ストンと腑に落ちて。母のことは最後の修行をしている《妖怪》だと思って見守ろう、と考えたら楽になりました(笑)。