家族と夕飯を食べ、お風呂に入った後、寝室に向かう私の両手は、お菓子と飲み物でふさがっている。夜10時、ここからがやっと私の休憩時間。お酒をたしなむ人たちがさきイカとビールで晩酌をしているとき、私はスイーツとカフェインレスコーヒーで1日を終えるのだ。

さらに寝室には、自分専用のお菓子ボックスが置いてある。中にはチョコレート、グミ、おからクッキー、干し芋、乾燥ナツメなど、ありとあらゆる甘味が。特別な日には、フロランタンなど大好きな焼き菓子も加わる。その日の気分でお菓子を選ぶのが、癒やしのひとときだ。

夜中になっても保育園の書類作りのほかに、町内会や子どもの学校のPTA向け資料作成など、寝る直前までやることが満載である。食べなければやっていられない。

さすがに糖尿病とか危ないかな。いや、まず虫歯だよね。でも、「ご自愛」だからしょうがない――と、自分で自分を許してしまう。

甘いものを食べたからといって、本当に疲れが取れるわけではないのは知っている。帰宅後に倒れ込んでしまうのは、糖分の摂りすぎで疲れやすくなっているのではないか、とも思う。

食べた後は一瞬だけ元気になる気がするが、まやかしに過ぎない。お酒好きな人が風邪を引いた時に、「アルコールで消毒だ」と言うのと同じ類いのへりくつだ。しかし、「ご自愛」を真に受けている自分には、背徳感も罪悪感もなかった。

寝る前には当然歯磨きをする。ただ、どんなに念入りに磨いても、つい5分前まで口の中を満たしていたチョコレートの油脂はそう簡単には落ちず、専用ブラシで磨いたはずの舌もうっすら茶色い。

わが子がこんなことをしたら絶対にゆるさないだろうに。どこまで私は自分に甘いのか。誰からも注意されないまま、こんな生活がしばらく続いていた。