イラスト:銀杏早苗
「飲酒と生活習慣に関する調査」(令和6年:独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター)によると、アルコール依存症が疑われる人の割合は全体の0.6%で、全国で約64.4万人と推測されています。アルコール以外にも「やめたいのにやめられない」さまざまなものへの依存症。こんなに食べたら体に悪いのはわかっている!それでも、やめない理由を探してしまう。坂田博美さん(仮名・岩手県・保育教諭・47歳)は、仕事から帰ると甘いものの誘惑に耐えられず――。

食べなければやっていられない!
忙しさのあまり自分を甘やかして

最近、さまざまなメディアで「ご自愛」という言葉をよく見るようになった。がんばっている自分を労わろう、という言葉だ。私の場合、それは甘いものを食べることだった。

朝はさほど忙しくない。夫と中学生・高校生の子どもふたりは、それぞれ朝食を済ませて出ていく。私は自分の職場のシフトに合わせて、身支度をして出勤。

しかし仕事が始まると、そこからは戦場だ。勤務先は保育園。常に動き回ることになる。お昼ごはんの時間になると、あっちでお茶をこぼしたと泣く子がいれば、こっちでは先生に食べさせてほしい、と床に寝そべってアピールする子もいる。

自分のご飯を口に入れたばかりの状態でトイレに呼ばれ、そのままお尻を拭いてあげることも日常茶飯事だ。園児がお昼寝をしたら、ようやくホッとひと息つける……とはいかない。持参した水筒のコーヒーを飲みながらパソコンに向かい、事務作業に没頭する。仕事仲間と談笑する時間すらない。

夕方6時ごろ帰宅すると、私はまず畳の上に倒れ込んでしまう。年齢的にも体力的にも、この仕事は限界なのだろうか。やがて低いうめき声をあげながら起き上がり、台所の食品棚からゴソゴソと菓子パンや煎餅を取り出し、むさぼるように食べる。保育園の給食は11時。この時間になると猛烈にお腹がすくのだ。

「そんなに食べたら、夕飯が食べられなくなる」と思うだろうが、実際そんなことはない。夕飯もしっかり食べられるのだ。もともと大食いではないけれど、日中に体を動かしているのでエネルギーを使いすぎて、帰宅後に恐ろしいほど反動が出てしまう。