久しぶりの歯科通いで大後悔。
子どもたちには虫歯がないのに

ある日、ついに現実を突きつけられる出来事が起きたのである。夫が買ってきてくれたカヌレを前歯でかじった時、「ガリッ」という嫌な音がして私は口から飛び出したものをあわてて受け止めた。

手のひらに差し歯が転がる。20年前に作ったものだから、劣化したのだろうか。近所の歯科に駆け込むと、すぐに処置してくれたので助かった。だが、先生は言う。

「全体的に歯が汚れていますね。歯医者に来るの、久しぶりなんじゃないですか?」「はい……」。たしか最後に行ったのは3年前だ。それほどご無沙汰している感覚はなかったが、いつの間にか何ヵ所も虫歯になっていた。

さらには歯茎が衰えて歯間が広がり、食べかすが挟まりやすくなっているらしい。その日は念入りに歯磨きの指導を受けた。

帰宅すると、あちこち虫歯になっていた事実に、恥ずかしさと情けなさで力が抜ける。思えば夜遅くに甘いものを食べても、疲れているからと歯磨きも適当になっていたのだろう。一日の終わりは目を開けて立っているのもやっとだ。だったらお菓子なんて食べないでさっさと寝ればいいのに。