女剣劇のケレンが好きで
村井さんは92年『蜘蛛女のキス』で文化庁芸術祭賞を受賞し、その後、読売演劇大賞など数々の演劇賞に輝いている。
では、第3の転機は?
――それはね、やっぱり小劇場との出会い、ですかね。『サウンド・オブ・ミュージック』とか『マイ・フェア・レディ』とか大きなミュージカルで、何十年もずっと僕は外国人しか演じていなかった。
そしたら10年前ぐらいのある時、『満月の人よ』という作品でトム・プロジェクトの会長・岡田潔からオファーが来て、それが東憲司の作・演出だったんですよ。九州の山の中のとりもち職人の役で。よくそうやってオファーしてくれたなと思いました。
そしたら東憲司が主宰する「桟敷童子」に出ないかという話が来た。東憲司はもともとアングラ劇団にいたんで、ケレンが好きなんです。すみだパークシアター倉(そう)とか、小さな劇場でやってます。