夫の反応

しかし夫が子どもに対する反応はいつも私と真逆でした。朝起きなくても、見守る。まったく口を挟まずに、夫は自分のペースを乱したことはありません。

私がエスカレートして、「ママはこの前決めたことを信じているのに、なんでそうなの?」と途方に暮れていると、夫は決まってこう言いました。

(写真提供:Photo AC)

「一度決めたことなら、あとは口出ししてはいけない。自分の行動は自分に返ってくる。それを学ぶチャンスなのになんで口出しするんだ。他の母親もそうだけど、母親っていうものは自分の子どもをダメにする行動ばかりしてる」と。

夫は私の感情がどうにも不安定になった絶妙のタイミングで、子どもたちを呼び、「今夜はママについて家族会議だ。よく考えておけよ」と子どもたちに伝え、会議で問題を解決していました。

「叱る」とは相手のためを思い、誤った行動や言動などに対してすみやかに軌道修正することを目的としています。

とはいえ、子どもの場合、たとえば交通事故の危険など、叱る余裕がないほどに生命の危機にさらされることもあります。特に10歳以下の子どもには、命を大切にすること、自分の身を守ることなども含めて、理屈で諭す前に強制的な躾(叱る)を優先してしまうことがあります。

ではいったい「諭す」とは、どのようなものでしょうか。それは子ども自身が自ら考え、心で気づくこと、腑に落ちることです。