QOL(生活の質)を大きく左右する「見る力」。足元やまわりが見えにくくなると外出が億劫になり、体力や認知機能の低下にも影響を及ぼします。「目の寿命」を延ばし、全身の健康維持を心がけましょう(イラスト:末続あけみ 取材・文・構成:島田ゆかり)
気づきにくいからこそ年1回の検査を
日常生活で活字を読むと目が疲れる、光を眩しく感じる、手元や足元が見えにくい……といった不調を感じることはありませんか? もしかしたら、「アイフレイル」が始まっているかもしれません。
「身体機能や認知機能が低下した状態を指す『フレイル』に対し、視機能が衰えた状態、またはそのリスクが高い状態を『アイフレイル』と言います」と話すのは、眼科医の深作秀春先生です。
「主な原因は、加齢に伴う眼球の水晶体や角膜・網膜の変化、ピント調節機能の衰え。そのほか、糖尿病をはじめとする血管疾患、眼病疾患の遺伝的要因、そして紫外線ダメージなどの外部刺激もリスクになります。
視機能が衰えると『よく見えないので外出が怖い』『好きなテレビ番組が見られなくなった』など、生活の質が低下してしまう。それが続いた場合、体力がなくなったり、気分の落ち込みにもつながりかねません。
つまり、見えにくい状態を放置すると社会との接点を失い、健康寿命まで脅かすことになるのです。『以前より見えにくい』などの変化を感じたら要注意。下のチェックリストで目の状態を確認してみましょう」(深作先生。以下同)

アイフレイルチェックリスト(画像を拡大)