日常生活に潜む目を傷つける習慣

眼病は失明の原因になるにもかかわらず、無頓着な人が多い、と深作先生は警鐘を鳴らします。ご自身は目のケアを怠らず、現在でも視力は両眼1.5をキープ。目の不調はないそうです。

「みなさんが気づかぬうちに行っている悪しき習慣はいくつもあります。まずスマートフォンの長時間使用。とくに、動画を見続けるとまばたきの回数が減り、目が乾燥して角膜が傷つきやすくなります。スマホ視聴は1日1時間以内が適切です。

それから紫外線対策を行わない人が多い。私は一年中、外出の際はサングラスを欠かしません。これはファッションではなく、目を守るため。目はブルーライトや紫外線などによるダメージに弱いので、光は極力カットしましょう。

目を洗うのもご法度です。痒みや異物感があるときは、水や洗眼液で洗い流すのではなく目薬を使用すること。できれば病院で使い切りタイプの目薬を処方してもらってください。多めに常備しておくとよいでしょう。

それから、『視力がよくなる』と謳われている、眼球をぐるぐる動かすトレーニングも控えること。高齢者はとくに、網膜剥離になるリスクがあるのです」

日頃から目を労っている人は、確実に目の寿命を延ばせると深作先生は力説します。

「ケアの基本は、積極的に目を休めること。とてもシンプルです。簡単なのはホットタオルを目にのせて温めるケア。血行が促進されて網膜にも血液が行き渡り、見えにくさが軽減されます。テレビを観るときや読書などをする際は、1時間に1~2分は目を閉じるようにしましょう。また、窓から遠くの景色を眺めると目の緊張がほぐれます。窓がない場合は、5m先の時計やカレンダーなどを見つめるのでもかまいません」

もう一つ重要なのが食事です。

「緑黄色野菜の色素は体内で吸収され、黄斑部を保護します。また、ドライアイ対策には角膜を守る良質な脂質も必要。オレイン酸を含むオリーブオイルや、血管を拡張させ、血圧を下げる作用のあるα−リノレン酸の亜麻仁油、えごま油も積極的に摂りましょう」

 

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