まずは全体のバランスを俯瞰する

本格的にメニュー選びをスタートする前に、まず飲み物をオーダーしましょう。お好きなものを頼めばいいのですが、私の場合は「泡のグラスを」とか、「スパークリングで」と言う場合が多いです。

「シャンパン」はフランスのシャンパーニュ地方で作られたものしか名乗れない、原産地呼称の飲み物ということは聞いたことがあると思いますが、ブランドが確立しているゆえ、比較的高価です。食前酒の目的のひとつは胃を活性化させることですから、シャンパンにこだわらずスパークリングワインでもビールでもなんでもいいと思います。

『50歳からの美食入門』(著:大木淳夫/中央公論新社)

先に飲み物をオーダーしておくと店側も安心して、メニュー選びに時間をかけても放置してくれるというメリットもあります。

メニュー選び、4つのポイント

さあ、メニュー選びです。方法は以下の4つ。

(1)主役を決める
(2)その他のキャストを決める
(3)違う食材を組み合わせる
(4)違う調理法を組み合わせる

簡単そうですよね。

(1)から具体的に説明しましょう。

まずは臆することなく、ひとつひとつゆっくり読んでください。おそらく、すごく気になる料理がいくつか出てくることでしょう。それをご自身の中で主役と位置付けてください。

主役さえ決まってしまえば次は(2)その他のキャスト決めです。見合った準主役や脇役を配置していけばいいだけです。

この過程で、サービスの人にだいたいの目安を聞くのもいいかと思います。「一皿の分量はどれくらいですか? 何皿くらいが適当ですか?」と。この際「私はよく食べる方なのですが」などの個人情報も伝えると、よりいいと思います。メニューに「本日の鮮魚」などと記してあったら、必ず「どんな魚ですか?」と聞くことも忘れずに。

ここで、サービススタッフに「あなたのおすすめは? 好きなメニューは?」といった質問を投げかけるのも有効です。

ちなみに昔、白金にあった大人が集うレストランで聞いたのですが、上から3番目に書かれているメニューが一番出るそうです。あえてそこに頼んでほしい料理を載せている店もあるでしょうから、見てみてください。