「80歳のときには娘夫婦と北海道の雌阿寒(めあかん)岳に登り、足が攣ってしまって(笑)。どちらかというとインドア派でしたが、80代からすっかりアクティブになりました」と笑顔を見せる。

また佐々木さんは最近、不思議な出会いも経験した。優子さんがミニシアターで何気なく予告編を見ていたら、小松が舞台となった映画があった。早速、『くまをまつ』というその映画を母娘で観に行くと、なんと柿の葉寿司や、佐々木さんの実家までスクリーンに映りこんでいたのだ。

実は映画の監督は実家のお向かいの家のお孫さんで、その日は上映後の挨拶に来ており、話をすることもできた。

「まだ若い監督さんの思い出の中に、郷里の風景とともに柿の葉寿司が残っているのが嬉しかったです。昔はごく当たり前のものだと思っていた食べ物が、こんなに喜んでもらえたり、若いひとの心に残っていたりする。いままで作り方を伝承しようなんて考えたこともなかったんですが、やはり何らかの形で残したいと思うようになりました」

ワークショップは来年もぜひ開催してほしいという声が上がった。これからも健康が続く限り、その期待にこたえていきたいと考えている。

2につづく

【関連記事】
産後サポートと日本語教室ボランティアで活躍、中里小夜美さん68歳「子どもを3人産み育てた経験から、子育ての不安な気持ちに寄り添って」
回収した着物を補修、再生。九條邦子さん82歳「これまでに作った布草履は1600足。売上の寄付先、回収を手伝う中高生、活動を通じて世界が広がって」
【運気アップの開運フード】笹の葉が爽やかに香る「ゐざさ寿司」、おむすびの具、酒の肴に「梅真鯛梅」、口に運ぶ手が止まらない「おいもけんぴ」