「意欲やモチベーション」も前頭前野の重要な役割
意欲やモチベーションも前頭前野の重要な役割です。
新しい趣味を始めたり、毎日運動を続けたりするなど、「やる気スイッチ」を入れるのはこの領域。
何事にも無気力になったり、物事を始めるのが億劫になったりしていたら、前頭前野が衰えているのかもしれません。
時間管理や展望記憶も前頭前野です。
展望記憶は、「午後3時に病院の予約がある」「夕飯の買い物を忘れないように」と予定を覚えておく能力で、衰えると、約束を忘れたり、予定を立てても実行できなかったりすることが多くなります。
複雑な問題解決も前頭前野の得意分野です。
例えば、旅行の計画を立てるとき、予算や日程、移動手段を総合的に考えるのはこの領域の仕事。しかし、この能力が低下すると、複雑なタスクに圧倒されやすくなり、途中で投げ出したくなったりします。
「面倒なことはやりたくない!」と思うようになったら要注意です。
脳の司令塔といわれるだけに、前頭前野の機能低下による老化のサインは多岐にわたります。あなたも該当するシーンがいくつかあったのではないでしょうか。
【前頭葉が衰えることによる老化のサイン】
・怒りっぽくなる、我慢できなくなる
・頑固になって自分の意見にこだわる
・予定通りに物事をスムーズに進められなくなる
・聞いた話の要点を整理できなくなる
・変化を受け入れるのが苦手になる
・何から手を付けていいのか優先順位を決められなくなる
・うっかり失言が多くなる
・何事にも無気力になる
・新しいことを始めるのが億劫になる
・面倒なことはやりたくなくなる
※本稿は『こうして脳は老いていく』(アスコム)の一部を再編集したものです。
『こうして脳は老いていく』(著:遠藤英俊/アスコム)
【90歳になっても脳がよみがえる方法があります】
何歳になっても物忘れがほとんどなくシャキッと冴えているAさんの脳。
かたや、5分前に言われたことも忘れてしまうBさんの脳。
同じ年齢の2人の脳は何が違うのでしょうか、遺伝的な差があるのでしょうか?
いいえ、そうではありません。この2人の脳の違いは、老いた脳を支える「バックアップ」の機能が働いているか、いないかの違いなのです。
予備脳は90歳を過ぎても強くできます。
ぜひ、本書で「人生100歳時代」を充実したものにしてください。





