会話が続くと、脳はどんどん刺激される

おしゃべりは長編小説のように長々と話す必要はなく、週に2〜3回、誰かと話すだけで十分。厚生労働省も、「週に何回か人と話すこと」をすすめています。

特に、年を取ると人とのつながりが減りがちです。

仕事を辞めると、それだけで人付き合いが減ります。プライベートでの付き合いがない相手とは、退職後はほとんど会うことはないと思います。悲しいことですが、家族と別れることもあるでしょう。

もともと人付き合いが苦手で、ひとりでいることが多かった人は、年を取っても変わらずひとりでいることが多いのではないでしょうか。

また、あくまでも傾向ですが、男性より女性のほうが共感力が高く、感情を共有する会話や人間関係を築くことに積極的であるといわれます。

おしゃべりの習慣化を、あまり難しく考えないことです。

家族や友人が近くにいる人はいつでもおしゃべりできると思いますが、いない場合は、週に何回か、電話をかけてみましょう。ビデオ通話でもいいと思います。おしゃべりの機会をつくることが大事です。

「最近どう?」「元気にしてる?」などと短い会話で十分です。

ちょっとしたやりとりから会話が続くと、脳はどんどん刺激されます。

もちろん、おしゃべりの相手は誰でもかまいません。

近所の人でも、趣味仲間でも、お店の店員さんでもいいでしょう。近所の人に「こんにちは」とあいさつをしたり、お店の店員さんに「ありがとう」と声をかけたりするだけでも脳に刺激が加わります。

そのためにも、おしゃべりの相手が思いつかない人は、家に閉じこもらず、少しでも外に出るよう心がけてください。

ただ、気をつけたいのが楽しくない会話。

話していてストレスがたまるようでは逆効果。相手の対応にもよりますが、自分からはとにかく笑顔で話せる、楽しいおしゃべりを心がけましょう。

人と話すのが苦手な人は、無理に長く話そうとせず、自分のペースで始めることです。

 

こうして脳は老いていく』(著:遠藤英俊/アスコム)