(写真提供:『後悔しない選択』/KADOKAWA)
16歳で日本代表デビューを果たして以来、日本女子バレーボールを代表する選手として活躍してきた古賀紗理那さん。日本代表のキャプテンとして挑んだ2024年パリオリンピックを最後に、現役引退を表明しました。選手人生を通して多くの選択をしてきた古賀さんが語る「後悔しないための選択」とは?初のエッセイ集『後悔しない選択』より、一部を抜粋して紹介します。

中学生の頃から決めていた「引退」

キャプテンとして出場するパリオリンピックを前に、現役引退を発表する。

私の中ではずっと決めていたことだったけれど、実際に「パリオリンピックを最後に現役を引退します」とインスタグラムで伝えると、いろいろな反響があった。

大半は「もったいない」とか「まだまだできるのに」という言葉。少なからず私はパリオリンピックに出場する自分の状態がピークだと胸を張れるぐらいやりきってきた自信があったので、「まだまだできる」と言っていただけることはひとりのアスリートとしては嬉しかった。

でも、バレーボール選手である前に、これは私の人生だ。

正直なことを言うと、私は中学生の頃から「27歳か28歳になったらバレーボール選手は引退する」と心に決めてプレーしてきた。今思えば、その後、春高バレーに出場したり、日本代表に選ばれたり、Vリーグ(現・SVリーグ)で優勝してMVPをいただいたり、いろいろな出来事があった。それでも、中学生だった私が描いていた「27、28歳で引退する」という決まりはブレなかった。