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人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。

食事の時間を充実させる

シニアがケガをして救急車で運ばれることは少なくありません。ケガで目立つのが骨折です。加齢とともに骨密度が低下して骨の強度が低下することも影響し、転倒などの比較的軽い力でも骨折してしまうのです。

女性の場合、女性ホルモンの減少が引き金となって骨密度が急激に低くなるため、50代で骨粗しょう症レベルになってしまう人もいます。

じつは、骨粗しょう症患者の8割を女性が占めています。がんや心筋梗塞のように直接命に関わる病気ではありませんが、要介護状態になってしまうケースも多いので、油断禁物でしょう。

とくに危険なのが大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ)骨折で、治癒までにかなりの時間を要しますし、寝たきりの生活が続くケースもあります。年間10万件ほど発生していますが、ほとんどの患者さんが60歳以上のシニアです。

予防にはカルシウムの摂取が大切です。ところが、カルシウムは体内に吸収されにくい物質で、吸収率が高いといわれている牛乳でも40%ほど。