PTAのLINE通知はミュートにしちゃおう!

私は家事育児もおそろかにして、毎月千円払ってまで、なんでこんなに時間を費やしていたんだ。オンライン上での繋がりでしかない場所から離れたくらいで死ぬわきゃない……アホか。

私のように根底に孤独感を抱え、誰かと繋がりたいと願う人間にとって、オンラインサロンは承認欲求を満たすためのブラックホールだった。

狭いコミュニティの中で孤独や承認欲求を癒そうとした結果、私が味わったのは虚無だけだった。

今となってはどうしてあれほど熱中していたのか、自分でも理解できない。

もう二度と一つの場所に自分の全てを捧げるようなことはしたくない。むしろ、自分の価値や承認は複数の居場所に分散させた方が、精神的な自立に繋がるのではないだろうか。

あれから私はどのコミュニティでも嫉妬の気配が漂う場面では静かに一歩引いて傍観するように心がけている。

ああ。またPTAのLINEの通知が鳴っている。

また雑談か。そういうのはよそでやってくれよ。いや、もしかしたら既に「PTA〇〇(裏)グループ」が作られていて「斉藤さん調子に乗ってない?」とか言われているのかもしれない。ああ怖い怖い。

あの頃の私だったら「斉藤さんは忙しいから(笑)」の裏にあるメッセージを受けとって、どうにかして「仕事中でも反応できる私」を演出し、地位を守ろうと躍起になっていたかもしれない。

(イメージ写真:stock.adobe.com)

もうPTAのLINE通知はミュートにしちゃおう! 

そろそろ夕飯を作らないと。それから、次の嫉妬マニアのテーマも考えたい。
〇〇君ママのおっしゃる通り! 私に他人の嫉妬のゲームに参加してる暇な時間はない。
自分の嫉妬を描くので忙しいのだ。

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