夜食べると太りやすい
「夜遅く食べると太りやすい」などといわれますが、これは事実です。ここには体内時計の存在が関わっています。
2種類ある体内時計のうち、親時計(※)は、睡眠・覚醒のリズムや体温のリズム、血圧のリズム、ホルモン分泌のリズムなどをつくり出します。
一方、肝臓などの子時計(※)は、おおまかにいうと、朝は活動のためのエネルギーをつくり、夜は余ったエネルギーを脂肪として蓄えようとします。
つまり、朝メシはエネルギーに換わりやすく、夕メシ(夜の食事)は、体脂肪になりやすいということです。
夜遅い食事が肥満を招きやすいのは、ビーマルワンという時計遺伝子が関わっています。ビーマルワンは、脂肪の合成を促進する時計遺伝子で、夜遅い時間に活発になることがわかっています。そのため、同じカロリーをとっていたとしても、夜遅く食べるほうが太りやすいのです。
もう1つ、夜遅く食事をとると、メラトニン(睡眠を調節するホルモン)の分泌が増加します。メラトニンが増加すると、インスリンの分泌が抑制されるため血糖値が上昇し、これも余ったエネルギーを脂肪として貯め込みやすくします。
2次会の後のシメのラーメンも太る原因の1つです。お酒を飲むと脱水が起こるため、のどが渇くことがあり、シメのラーメンが食べたくなるのです。
ぼくはカツ丼やラーメンを食べてもいいという健康法を提唱しています。でもそれは、できればランチとか、朝ラー(朝のラーメン)のほうがよいのです。
朝ラーをすすめると、「朝からラーメンかよ!」と、朝ラーを軽蔑していろいろなことをいう人がいますが、シメのラーメンより朝ラーのほうがはるかによいのです。
昼ラーメンもたまにはよいでしょう。高齢者はむしろ1カ月に1回ぐらいラーメンやカツ丼を食べてよいと、ぼくは考えています。いけないのはビーマルワンの活動しやすい時間帯に、ラーメンを食べること。夜食にこういうものを食べることは、時間栄養学の点からも、かなり問題があるということを理解してください。
※親時計…脳内に存在する体内時計のこと
※子時計…心臓や肝臓や胃、大腸、腎臓など全身のあらゆる臓器に存在する体内時計のこと
