新人の本配属、推薦されたのは…

矢野さんの話を聴いたあと、筆者は人事担当者とも話しました。結論から言えば、企画営業部は今年度の新人の本配属については、矢野さん1人を人事部に推薦してきたそうです。企画営業部の上司は、客観的に2人の新人の様子を観察したうえでマーケティング面での強化を考えているため、矢野さんを選んだということでした。人事担当者は、企画営業部と矢野さんの意向が合致していることから、彼女をそのまま本配属とするつもりだったそうです。しかし、Hさんは企画営業部への希望が相当強く、人事担当者は何度も彼女との面談の機会を設けていて(矢野さんを陥れるようなエピソードも多数あった)、まだ迷ってはいるようです。

『あなたの職場を憂鬱にする人たち』の執筆時点では、企画営業部に本配属になるのは、矢野さんになりそうですが、彼女はまだそのことを知りません。とはいえ、今回のことをいろいろと整理して考えて、もっと自分に自信を持ちたいと強く思っているそうです。筆者は、矢野さんに認知のことなどについて説明し、彼女にはまず、自分の認知パターンに気づくことから始めてもらうことにしました。自分の歪んだ認知のパターンを自覚すると、次第に、似たような場面に遭遇したときの認知を、現実的な認知(適正な捉え方)に修正できるようになっていきます。

現在、矢野さんはネガティブな感情で落ち込みそうになったとき、非適応的な認知になっていないか、自分で自分の感情を点検できるようになろうとしています。「過度の一般化」のメカニズムを知ってからは、Hさんの言動も、それほど気にしなくてよいことがわかったということです。

※本稿は、『あなたの職場を憂鬱にする人たち』(集英社インターナショナル)の一部を再編集したものです。

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