20年以上も頑固な便秘に悩まされてきた女性

健康意識が高い真面目な人ほど、「昔ながらの食事」に固執してしまい、かえって体調を悪化させてしまうケースは、決して少なくありません。

私が腸内解析を行なった中で、「データミスか」と思うくらい悪い菌の割合が高かった30代の女性がいました。平均では2%ちょっとのはずのプロテオバクテリアの割合が、なんと20%を超えていたのです。

『やってはいけない腸活』(著:太田華代 監修:手島麻登里/三笠書房)

彼女は、「もう20年以上も便秘薬を使わずに便を出したことがない」というほど、頑固な便秘に悩まされていました。ただ、よく勉強している人で、「このままずっと便秘薬を飲みつづけていいはずがない。便秘薬をやめたい」とも訴えていました。

おそらく便秘薬で無理に便を出すことで良い菌が流され、その分、悪い菌が増えて便秘が悪化するという負のサイクルに陥っていたのだと思われます。

さらに詳しく話を聞くと、健康のためにこれまでもいろいろ努力して、野菜も玄米も高価なオーガニックのものしか摂らないようにしていたそうです。ただ、そうした出費がかさみ、経済的にも追い詰められている様子でした。

しかも、2人目の子どもが生まれてからは育児ノイローゼのようになってしまい、抑うつ状態が続いて、勤めていた会社も辞めざるを得なかったそうです。

ヒアリングを行なっている間、彼女はかなりピリピリした様子で、ストレスが溜まっているのが伝わってきました。メンタルが相当やられていたようで、それが腸内細菌のバランスを乱している最大の原因に思えました。