「介護をしている方。がんばりすぎていませんか――?」介護の現場で生活相談員として働くのぶさんは「介護する人を支えるために、ぼくたち介護職がいます」と語ります。介護現場での心温まるエピソードや、介護のコツをXで発信し、フォロワーは3.7万人を超えるのぶさん。そんなのぶさんが伝えたい<読むだけで心がラクになる>メッセージを集めた著書『読むだけで介護がラクになる本』より、一部を抜粋して紹介します。
お年寄りの優しさ、言葉の深み
介護の仕事は、はっきり言って大変です。
利用者さんに暴言を吐かれることもあれば、突然叩かれたり、足が飛んできたりすることもあります。仕事中に「もう無理だ……」と心が折れそうになる瞬間は、正直、数え切れません。
「もう辞めたい」と思う日だってあります。体力的にもしんどくて、精神的にもしんどくて、「何のためにやってるんだろう」と思い悩むこともあります。
それでもぼくは、この仕事が大好きです。気づけば10年以上、毎日現場に立ち続けています。
それは、この仕事には苦しさを上回る「何か」が確かにあるからです。
介護の現場には、他では味わえない温かさや、人生で大切なことを思い出させてくれる場面が、たくさんあります。
もちろん、日々の業務に追われて余裕がなくなることもありますし、「どうしてこんなことに……」と、とまどう出来事も山のようにあります。それでも、ふとした瞬間に心がふわっと温かくなる、そんな出来事に出会えることが、この仕事の魅力です。