抱えているのは
彼らが抱えているのは、スイカではなかった。
首である。
子供の首。
周平君の首だ。
どれも同じ顔だった。
白く濁った両目を見開き、口の端からは一筋の血が垂れている。
その部屋にいる全員が全く同じ周平君の首を抱え、撫でさすり、唱え言をしていた。
「ご利益がないのよねえ、『くびぞろえ』じゃないと」
そう言って小首を傾げた周平君のお母さんも、いつの間にか周平君の首を抱えていた。
その言葉が終わらないうちに、ぶぼっ、と音がした。
お母さんが持った周平君の鼻から真っ黒な液体が流れ出ている。
水道の蛇口を思い切りひねったような、それはすごい勢いだった。
ぶぼっ、ぶぼっ、と立て続けに噴射音がして、イカ墨じみた液体が部屋中に飛び散った。
壮亮さんの意識はそこで途切れる。