ジャケットのつくり方も大きく変化
ジャケットのつくり方も配信サービスの普及によって大きく変化しました。配信サービスのジャケットは、レコードやCDのような大きさではなく、アイコンやサムネイルとして扱われています。細かい意匠を配置しても見てもらえない可能性が高く、それよりも一覧(リスト)として並んだ際の視認性や、デザインの統一感が重視される例が増えてきました。
CDやレコードのジャケットはデザインを変更しようとすると印刷や在庫の回収などコストが掛かりますが、配信サービスのアイコン・サムネイルであれば、画像の差し替えだけで変更が容易におこなえます。カニエ・ウェストはリリース後の差し替えを頻繁におこなうことでも有名です。
世界的なストリーミング配信の普及で、音楽ビジネスはデータ・ドリブンとなり、一発勝負ではなくPDCAが必要なビジネスへと変化しました。音楽企業各社でもそうしたスキル、経験を持つ人材を積極的に活用したり、グローバルのテクノロジー企業との連携がコロナ後急速に浸透しています。
※本稿は、『音楽ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
『音楽ビジネス』(著:鈴木貴歩/クロスメディア・パブリッシング)
YOASOBIやAdoが世界を席巻し、日本の音楽が再び世界から注目されています。
なぜ今、J-POPがグローバルで成功できるのか?
ユニバーサルミュージックのデジタル本部長として音楽配信の拡大を推進し、現在は音楽テック・コンサルタントとして活躍する著者が、音楽ビジネスの「今」と「これから」を徹底解説します。




