私と似ている
――演じられる松野トキはどんな役ですか?
トキというキャラクターはあまりにも私自身。台本を読みながら「なんで私の思っていることを言うんだろう?」「このセリフ、本当に私!」と思うぐらいです。制作統括の橋爪さんとお話しして気付いたのですが、トキの自分と他人の線引きがはっきりしているところ、自分の感覚を押し付けたり介入したりしないところが私と似ているのかもしれません。「その人はその人でいい」と思っているから、おじじ様や父上が武士にこだわっているのも認められるし、ヘブンさんにもいつもと変わらず接することができるのだと思います。
また、小さい頃から家族を守るという感覚を持っているのもトキの特徴です。貧乏な家族のことを背負うのも使命感からだと思います。「優しくしたい」とかではなく、もう「そう生まれてきた」という感覚。やっぱり武家の子なのでかっこいいなと思います。
――共演者の方々とのエピソードを教えてください。
松野家の皆さんは本当にすてきで優しくて、池脇(千鶴)さんとはだんだん顔が似てきている気がします(笑)。おじじ様と父上の情けないけれどもトキをしっかり愛しているところも憎めません。台本が面白い上に小日向さんと岡部さんが演じられるとより憎めないキャラクターになっていて、相当憎いことをされているのに憎めないんです(笑)。
トキと錦織さん(吉沢亮)が初めて出会うシーンも忘れられないぐらいずっと笑っていました。アドリブ合戦になった時、私が仕掛けたお芝居を吉沢さんが全部受け止めてくださる安心感がすごかったです。受け止めるだけではなくやり返されて、笑ってしまうこともありましたけど(笑)。
ただ、笑わせようと思っているわけではなくて、この台本は何かを仕掛けようとすると失敗する台本だと思います。だから、全員武器を削ぎ落とされてそれでも戦いに行く感覚。「何もしないふざけ」を手に入れようと頑張っています。「ばけばけ」を通して役者としても「ばけ」らけるように頑張ります!
ヘブン役のトミーさんは世の人々をメロメロにする方だと聞いていたのですが、お会いしてそれを実感しています。紳士的ですごく優しくてとにかく日本が大好きな方です。ヘブンさんと似ているところもあるのでお芝居で助けていただくことも多いでしょうし、これからもっと視聴者の皆さんもすてきなトミーさんの虜(とりこ)になると思います。