あなたの周りに「なぜかみんなが話したがる人」はいませんか? 口下手な営業、本音を引き出す上司、頼られる先輩、話を聴いてもらいたくなる友人…。彼らに共通するのは、話術ではなく「聴く力」かもしれません。《うまく聴けるはあなたの武器になる!》8000人以上の話を聴いてきた心理カウンセラーの山根洋士さんは、「聴く技術」を磨けば誰でもコミュニケーション上手になれると断言します。山根さん著書『聴く技術 あなたの会話が今日から変わる』より、すぐに使えるヒントを一部抜粋して紹介します。
話を聴いているとき、脳はヒマ?
そもそも人の脳は、相手が話すスピードよりも速く情報を処理してしまいます。
例えば、資料が配られて、プレゼンテーションを聴く場面をイメージしてみてください。相手が資料に沿って話すよりも速く、どんどん先に資料をめくって読んでしまうことがあります。
途中からは「もう、だいたいわかった」と相手が話し終わるのを待つだけ。
人が話すスピードと脳が処理するスピードにはズレがあるのです。
すると脳は、あまった処理能力で別のことを考え始めます。プレゼンを聴くときであれば、「その提案を採用しようか」とか「何と言って断ろうか」、あるいは「このあとの会議どうしようかな」なんてことを考えてしまうかもしれません。
悪気があるとかではなく、脳に余力があるだけなのです。
加えて最近は、「聴きたいことだけ聴く」スタイルに慣れてしまっていますから、なおさら、じっくり聴くのが苦手になります。