国際中医薬膳師の瀬戸佳子さん(左)と女優の秋吉久美子さん(右)(撮影:清水朝子)
女性の体は、年を重ねるとさまざまな不調をためこみやすくなるもの。女優の秋吉久美子さんも、そんな悩みを抱えているそうで……。国際中医薬膳師の瀬戸佳子さんが、体のめぐりをよくして、すこやかに暮らす秘訣を教えます。(構成:平林理恵 撮影:清水朝子)

疲れを「年のせい」と片付けないで

秋吉 今日はお目にかかれて嬉しいです。先生のご本を読むと、「まさに、私のことが書いてある!」と驚きの連続で。私、子どものころから脆弱で、スタミナ不足ですぐにハーハー息切れしちゃうタイプなんです。

瀬戸 いつも何かしらで疲れていて元気が出ない、ということですね。具体的にはどんな不調を抱えていらっしゃいますか?

秋吉 むくみ、肩こり、胃のもたれ、だるさ……同世代の方が感じる不調はすべて持っていますよ(笑)。それをなんとかごまかしながら、ヨガやストレッチをしたり、ジムに通ったりしてしのいでいる感じです。体を動かすと、終わった後に、体調の改善を実感できるので。

瀬戸 ご自身に合った習慣を取り入れていらっしゃるのは、素晴らしいですね。

秋吉 ありがとうございます。

瀬戸 60代以降の方は特に、秋吉さんのように「ちょっとした不調」に悩む方が多いのですが、「年だから」で片付けないでいただきたいなと思います。人生はまだまだ先が長いですから、ここからはどれだけ自分をケアできるかが勝負です。

秋吉 私自身はこういう体質だからこそ、体にいいと聞けばすぐ試す習慣が身についたという面もあるように思います。

瀬戸 自分の体としっかり対話してこられたのですね。ほかにご自身の体質で、気になることはありますか?

秋吉 私、日中、異常に眠くなるんですよ。食後はもちろん、特にひどいのが雨の降る前。おしゃべりをしながら相手の目の前で眠っちゃうほどなんです。

瀬戸 お話を伺うかぎり、秋吉さんは、湿気にとても弱いタイプなのだと思います。しかも、体が丈夫ではないとのことですから、胃腸もそんなに強くない。そこに外気の湿気が重なると、体のめぐりが悪くなってしまうのでしょう。

ものを食べたときは、血液もエネルギーもすべて胃腸に集中してしまう。その結果、脳が貧血状態になり眠くなるんです。

秋吉 なるほど、貧血ですか。「めぐりが悪くなっている」とおっしゃいましたが、そもそも「めぐりがよい」とはどういうことを指すのですか?