ゆっくり自分の気持ちと向き合って

そしてある程度の心の整理ができたら、早めに別の推しを見つけることをすすめたいですね。

いまは「もうこんなに夢中になれる存在は現れないだろう」と思うかもしれませんが、それは、これまで心の中が彼女でいっぱいだったからです。気持ちを整理していくうちに余白ができて、時間が経つとまた違う魅力的な存在に出会えることもあります。

推しを探すぞ! と意気込む必要はないけれど、応援できるような存在がいないか、日頃から意識してみませんか。

最初は気が乗らなくても、少しずつでも「楽しい」と思えるものを増やしていくことが大切です。

いつか「あのときは全力で推してたなぁ」と笑って振り返る日がきます。それまでは、ゆっくり自分の気持ちと向き合いながら、新しい楽しみを見つけていってください。

※本稿は、『喪失感の壁-きもち次第で何があっても大丈夫』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。

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