俳優として活動を始めてかなり経ちますが、どうやら僕は幼少期から演じることに興味を持っていたようです。と言うのも、デビューしたばかりの頃、身近な人から「結局この道に進んだのね」と言われたことがあって。
「えっ、どういうことですか?」と訊くと、僕が小学校に入る前に「子役が通う演技塾に入れてほしい」と泣きながら何ヵ月も親にお願いしていたんだそう。
僕自身はまったく覚えていなくて、この仕事を始めてから聞かされて知りました(笑)。俳優がどんな仕事かわからないながらも、やってみたい気持ちがあったのでしょうね。
その後、「挑戦してみて、やめたくなったらやめよう」とエキストラを始めたところ、ある現場の監督から、「ちょっとキミ、こっちに来てこれを言ってみなさい」と一言だけセリフをいただいて。〈記者2〉のような役柄でしたが、それが俳優人生初のセリフになったのです。
そのときの撮影で、自分の頭上にマイクがセットされるのを初めて経験し、しかもセリフを言ったあとで監督が褒めてくださり……。もう眠れないくらい嬉しくて、すごくいい気分でした。
ありがたいことにその後、僕は「俳優になる」という一番の夢を叶えることができたと言えますが、あのときに感じた喜びと小さな達成感がすべてのスタートでした。