「天下の楽に先んじて楽しむ」三翁
11代将軍・徳川家斉の時代、「天下の楽に先んじて楽しむ」三翁、と呼ばれた三人の権勢者がいたとされます(漢学者・五弓久文の『文恭公実録』)。
一人は本ドラマのラスボス、一橋穆翁こと徳川治済。
一人は薩摩藩主の島津栄翁こと島津重豪。ちなみに重豪は「べらぼう」でも登場。治済の屋敷のなかで、重豪の娘の茂姫を一橋家の豊千代(後の家斉)に嫁がせよう、という話が出てきました。
最後が「べらぼう」未登場、碩翁(石翁とも)を称した中野清茂(1765~1842)です。
彼らは「天下の憂に先んじて憂う」という白河楽翁、則ち松平定信のまっすぐで質素な姿勢と対照的な、きわめて贅沢な生活を送っていました。

