本来は、歩いたり座ったりなど日常の行動によって下半身が動くことで、足の筋肉がポンプのような役割を果たして血液が心臓に戻るのです。この時、下半身に7割が集まるという血液を重力に逆らって心臓に押し上げるには、筋力が欠かせません。しかし女性は、男性に比べて筋肉量が少なく、血液を押し戻す力が弱いため、どうしてもむくみやすい状況にあります。
また、月経や妊娠・出産がある女性の体はもともと水分が多く、冷えやすいため、血流が滞りがちです。女性ホルモンには、体に水分を溜め込む「エストロゲン」と、水分を排出しようとする「プロゲステロン」がありますが、アフター更年期はホルモンバランスが崩れることで自律神経が乱れ、血行不良にさらに拍車がかかることに。
ちなみに、年を重ねると足がつる人が増えますが、その主な原因は血行不良による冷えや脱水です。
むくみを感じていても、「たいしたことではない」「年だから仕方がない」と思っている人は多いのではないでしょうか。しかし、むくんだ部分は血流が滞っているため、筋肉は緊張状態のまま凝り固まります。また、水分で細胞が膨張することで皮膚は薄く引き伸ばされ、乾燥して硬くなってしまう。
そのまま放っておくと、「関節を曲げにくい」「少しの傷でも感染症を引き起こしやすくなる」「腫れや傷が治りにくい」といったトラブルを引き起こしてしまうのです。さらに、足がぼってりと太いままになり、外見にも影響を及ぼします。