厚生労働省の「令和6年簡易生命表の概況」によると、2024年の日本人の平均寿命は男性が81.09年、女性が87.13年だそうです。そんななか、ファイナンシャル・プランナーの首藤由之さんは、令和の「老後のお金」の問題点として「長生きリスク」を挙げ、「寿命が延びるにつれて必要な老後資金はどんどん膨らんでいく」と語ります。今回は、首藤さんの著書『これだけ差がつく!老後のお金 55歳から15年で2500万円をつくる』から抜粋し、50代で知っておくべき「新しい老後資金の作り方」をお伝えします。
老後のお金、こんなに変わった
リタイア後の「老後のお金」がいくら必要かというマネーテーマは、実際にリタイアする人たちにとって最大の関心事です。
しかし、その“歴史”をたどると、高齢化が進んで寿命が延びるにつれて必要な金額は一貫してどんどん大きくなっていく、というものでした。
昭和の時代、平均寿命が60~70代前半で、かつ日本経済が元気だったころは、そもそも老後資金が大きな問題になることはありませんでした。55歳が定年だったころは、60代で亡くなる方が大勢いらっしゃり、「老後」の期間が短かったからです。
また、賃金も右肩上がりで増えていったので、定年まで働けばたいていの人が必要な老後資金を準備できました。たとえ自助努力で資金が準備できなくても、当時はまだ大家族で子どもに面倒を見てもらえました。