お金が足りない世代

さらには、実はこれから高齢期に向かっていく人たちは、必要に迫られてもいます。本格的に「お金が足りない世代」だからです。

一定の年代までは「年功序列的賃金」というように、いったん会社に入社すれば定年まで勤められることがほぼ保証され、賃金も「右肩上がり」が普通でした。

(写真提供:Photo AC)

しかし、今の50代は違います。日本経済もバブルが崩壊した1990年代から長い低迷期に突入しました。物価が下がるデフレが常態化し、それに合わせて賃金は上がらなくなりました。

ここ2、3年、ようやく「賃上げ」や「インフレ」が話題になっていますが、30年近くほとんど賃金も物価も上がりませんでした。まさに「失われた30年」です。