いろいろなマネー手段を駆使して長い老後を乗り切る

そして「今あるお金を増やす」はとても重要です。昨今は「お金に働いてもらう」と表現することもありますね。「運用による資産形成」です。

やり方によっては元本が減ってしまうリスクはあるのですが、長い人生を通して見ると、これまで以上に重要さを増してきます。

かといって高年齢になってから切った張ったの売買をする「個別株」などに投資するのは、やめておいたほうがいいでしょう。リスクが高すぎます。

それよりは近年、国が「自助努力」を促すために整備した資産形成のための制度を検討することです。

代表格は、利用できる人が大幅に増えたiDeCo(個人型確定拠出年金)と2024年から一気に制度が大幅に拡充された新NISA(少額投資非課税制度)です。

国が「豊かな老後を送りたいなら自分たちでね」とばかりに自助努力路線を支援し、制度を設けてくれているのですから、これに乗らない手はありません。

このように、いろいろなマネー手段を駆使して長い老後を乗り切る。

これこそが「お金が足りない世代」が取り組むべき対策だと思います。

まさに一生かかって「マネー総力戦」を展開する必要があるのが今後の老後資金なのです。

※本稿は、『これだけ差がつく!老後のお金 55歳から15年で2500万円をつくる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

【関連記事】
人生100年時代、これから高齢期に向かっていく人たちは<お金が足りない世代>に。令和の「老後資金問題」をファイナンシャル・プランナーが解説
68歳・既婚「夫の定年退職の開放感から、旅行などで散財。さらに病気で医療費がかさみ、貯金が底を付き…」《シニア世代の家計簿アドバイス》【2025編集部セレクション】
<103万円がボーダーライン>と言われてきた「扶養の壁問題」を専門家が解説!「今は103万円にこだわるべきではなく…」【2025編集部セレクション】

これだけ差がつく!老後のお金 55歳から15年で2500万円をつくる』(著:首藤由之/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

「老後のお金」は足りていますか?

コツコツ貯金だけで備えると「老後破産」の時代、50代で知っておくべき「新しい老後資金の作り方」をお伝えします。