逃走した治済

前回、茶に“眠り薬”を仕込み、治済が意識を失っている間に、彼と瓜二つの能役者・斎藤十郎兵衛を影武者として城へ送り込むという、起死回生の策が実行されました。

将軍・家斉を巻き込んで事を運ぶという、一歩間違えれば破綻しかねない賭けでしたが、計画は見事に成功。眠った治済は拘束され、阿波の孤島へと流されることになりました。

その一連の経緯を踏まえ、最終回は治済が護送される場面から幕を開けます。

(『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』/(c)NHK)

縄をかけられていた治済でしたが、道中で「尿意を覚えた」と監視役に告げます。

一瞬の油断を誘ったその直後、治済は突如として監視役の刀を奪ってそのまま刺すと、逃走を図ります。