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1月4日から、2026年NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』の放送がスタートします。仲野太賀さん演じる本作の主人公は、天下人・豊臣秀吉の弟である豊臣秀長です。歴史の教科書にも載っていない彼は、いったいどのような人物なのでしょうか?今回は、書籍『図解 豊臣秀長』をもとに、歴史研究者で東大史料編纂所教授の本郷和人先生に解説をしていただきました。

豊臣兄弟出生のナゾ 秀吉と秀長は異父兄弟?

秀吉と秀長は異父兄弟、つまり母親は同じだけど父親が違う兄弟だというのが通説です。

しかし、父親も同じだったのではないかという説もあります。

柴田勝家との賤ケ岳(しずがたけ)の戦いの際、秀吉方の武将・中川清秀を見殺しにする形で討ち死にさせてしまったことで秀吉は秀長を叱責していますが、このときに秀吉は「お前と俺とでは、種が違う!」と秀長に言い放ったという話が『老人雑話』という書物に出てきます。この影響もあって、秀吉と秀長は異父兄弟であるというのが長らく通説とされてきました。

しかし、『老人雑話』は秀吉の子飼いの家臣・加藤清正に仕えた江村専斎(えむらせんさい)という医師の談話集で、彼が老人になってから聞き書きによってまとめられたものです。信憑性については疑問視されており、これをそのまま史実と見るわけにはいきません。