奥さん孝行

「今日さ、俺休みだから、赤ちゃんの面倒、俺が見とくから、映画観にいくなり、友達とランチ行くなりしてくれば?」

「えーっ、嬉しいけど、大丈夫?」

「まあ、大丈夫でしょ? とりあえず、泣いた場合どうすれば泣きやむか教えてくれる?」

「じゃあ、オムツの真ん中にこの黄色のラインが入ってるでしょ? この黄色が緑に変わったら、オムツ替えろのサインだから、ティッシュで拭いて替えてくれる?」

「うん。他は?」

「それでも泣きやまなかったら、ミルクが欲しいってことだと思うから、その時はこのミルクを40度くらいに温めて、飲ませてあげて」

『経験 この10年くらいのこと』(著:上田晋也/ポプラ社)

「うん。他は?」

「それでも泣きやまなかったら、このおもちゃが好きだから、これをガラガラ鳴らしてあげると喜ぶと思うから」

「うん。それくらい?」

「そうだね、これくらいで大丈夫だと思うよ」

「オッケー、じゃあ行ってきなよ!」

「ホントにいいの?」

「全然大丈夫! じゃあ今日は家のことは気にしなくていいから、楽しんでおいで!」

「ゴメンねー、ありがとう!」

家内はちょいとおめかしをして出かけていった。