かれこれ1時間半……

娘が泣き始めて、かれこれ1時間半。どうすればいいのかまったくわからず、娘より私のほうが号泣したい気持ちになって、完全なるパニック状態に陥り、育児を始めて90分で(このままでは育児うつになってしまう)と、最終ステージに突入してしまった。

いかんいかん、ここは一度冷静になるために、隣の部屋に行って頭を冷やそうと、私は娘を床に敷いた布団にそっと横たえ、クールダウンすべく隣の部屋に移動した。すると―─なんと、娘はピタリと泣きやんだではないか。寝ついたのか、と思い、娘のいる部屋に戻ると、また大声で泣き始める。まさか、と思い、もう一度隣の部屋に戻ると、ピタリと泣きやむ。

上田晋也
「どうすればいいのかまったくわからず、娘より私のほうが号泣したい気持ちになって…」(写真・有泉伸一郎)

そう、娘は、1時間半私に対して泣いていたのだ! 要するに、娘からしたら私は、一度も面倒を見てもらったことのない、赤の他人だったのである。

半年間、まったく育児をしなかったことを猛省し、悔い改めつつも、娘が一番過ごしやすい環境を提供するために、私はそのまま隣の部屋で、家内が帰ってくるまで読書をして過ごした。その半年で一番読書が捗った日になった。

※本稿は、『経験 この10年くらいのこと』(ポプラ社)の一部を再編集したものです。

【関連記事】
芸能人が戦々恐々とする中、上田晋也だけが<写真週刊誌に載りたい>と思うワケ。「チュートリアル徳井らとの飲み会が掲載された際には、まさかの…」
抗がん剤の副作用で心肺停止寸前になった宮川花子。神妙な顔の医者が告げた、大助からのまさかの伝言は「オリックスが…」【2025編集部セレクション】
ロッチ・コカド 銭湯に行ったまま今も戻らない父。その分、母と姉から目一杯甘やかされて…「中岡くんから言われるまで自分を可哀想な境遇と思ったこともなかった」

経験 この10年くらいのこと』(著:上田晋也/ポプラ社)

くりぃむしちゅー上田晋也さんが40代の頃を振り返った、初の書き下ろしエッセイ。

「桃太郎」「浦島太郎」「鶴の恩返し」の昔話にも、突っ込み!

亀梨和也さんとの特別対談も収録!