「たねもみ」を借りる「下人」

なお、本百姓より規模の小さな者は脇百姓と言います。でも、本質的な性格は本百姓と変わりませんので一緒にして良いでしょう。

この「本質的な性格」とは翌年の農業経営を自力で営めるか、ということです。もっと具体的にいうなら、翌年の「たねもみ」を備蓄できるかどうか。

本百姓と脇百姓は「たねもみ」を取って置くことができます。でも生活が苦しくて「たねもみ」を食べてしまう層もいる。これが「下人」で、第3の階層です。

下人は耕作を行うに当たり、地主や本百姓から「たねもみ」を借りなくてはならない。この点で、下人は人格的に、地主または本百姓に隷属せざるを得ない。

『豊臣兄弟!』も冒頭、信吉と玄太がたねもみの貸し借りで揉めるところからドラマが始まっていましたよね。

村落にはだいたい神社があって、たとえば秋の収穫の後にはここで祝宴が開かれますが、地主と本百姓・脇百姓がお堂の上に座を占めることができるのに対し、下人はお堂に上がることを許されません。そうした明確な差別を受けていたのです。