死は1か0ではない、今の僕は0.1
現代はスマホで、どんなことでもすぐに調べられるので、物事をコンピューターの2進法のように、1と0(ゼロ)で考える人が増えています。
生と死も2進法になると、生きているのが1で、死ぬのが0です。でも現実はそうではありませんね。
生まれたときを1としたら、0になるまで生きているわけです。僕は今年で89歳(26年11月11日)になりますから、今は0.1くらいでしょう。
今の僕は0.1くらいの生が残っていますが、逆に言うと0.9は死んでいるということになります。
1から0の間は「半分生きて、半分死んでいる」状態なわけで、だんだん死んでいくわけです。
そして半分生きているうちは死にませんから、死も生きることの一部だと考えないわけにはいきません。
死ぬならがんがいい、と言う人がいます。中川恵一さんもそう言っていました。がんは死ぬまでに時間があるから、やり残したことができると言うのです。けれども、死ぬまでに時間があるのはみんな同じです。
僕の肺がんの再発で言えば、死が具体性をもって感じられるようになっただけのことでしかありません。
でも、僕ががんで死ぬとは限りません。がんで死ぬ前に、コロナに感染して肺炎で死ぬかもしれませんし、交通事故に遭って突然死するかもしれません。関東で巨大地震が起きて、みんなと一緒に死んでしまうかもしれません。