協会による「クルーズ奪還作戦」

2025年、協会は、クルーズ奪還作戦とも思える2つの発表をした。

ひとつは第100回より新設される、スタントデザイン賞。今後もクルーズがアクション映画を続けるのなら、彼自身がノミネートされる可能性は高い。

(写真提供:Photo AC)

もうひとつがトム・クルーズへの名誉賞授与。名誉賞は、長年の貢献にもかかわらず、一度も受賞をしていない人物に贈られることが多い賞だが、受賞後にコンペティティブオスカーを手にしたケースも多々ある。スパイク・リー、エンニオ・モリコーネなどは比較的記憶に新しい。トム・クルーズ自身が受賞に寄与したポール・ニューマンも、名誉賞を受賞した翌年に『ハスラー2』で主演男優賞を獲得した。

現役引退などみじんも考えていないクルーズが、今後コンペティティブオスカーを手にする可能性はいくらでもある。名誉賞は決して、その人のキャリアの終わりを意味するものではない。

また尚更期待が膨らむことに、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の新作はトム・クルーズ主演で、公開は2026年の秋に予定されている。イニャリトゥはオスカー常連で、同じく獲れないジンクスを抱えていたディカプリオに主演男優賞をもたらした監督である。尊敬するニューマン同様、名誉賞受賞翌年に主演男優賞を獲ったらどれだけ素敵な事だろう。